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現職院生として

現職院生としての立場

 昨年度より和歌山県から現職院生として派遣されて1年半以上が経過した。僕が所属する学級経営実践コースには現職院生が8名しかいなかった。コース全体が50名程度なので約6分の1である。つまりコースのほとんどが20代で構成されているという現状である。自分より年下ばかりがいる環境で過ごしたことがある現職の人はほぼいないと思う。少数ではあるが教職経験があるとうことで頼りにされる機会も多い。

 頼りにされると応えてしまうのが教師のいいとことでもあり悪いところでもある。本来、同じ院生なので現職だから偉いなんてことはまったくないのだがつい教えてしまう場面もある。教えることが悪いわけではないが現職院生と院生が(教える→教えてもらう)の構図になるとよくない。なぜなら現職院生も実はおおいに悩んでいるからだ。(教える→教えてもらう)の構図が出来てしまうと現職院生から聞くのが難しくなってしまう。

 僕は若い人のほうがそもそも優秀であると思っているので聞きたいことが多い。ではどうやってフラットな関係を作ることが出来るのか。

オープンにする

 出来る限り自分の思っていることや考えをオープンにすること、交流する回数を単純に増やすことが結局は1番なのかなと感じる。そのためには待たないということも必要だと思う。聞きたいことがあれば聞きにくるだろうというスタンスはあまりよくない。職員室でも「何でも聞いてね」というのはあまりいいコミュニケーションをうまないことが多い。こちらから聞くということが必要だと思う。

 若い人から積極的に話すことは難しい場合が多い。もちろん関係なく話せる人もいるが現職・年上というだけで年下からするとハードルがあるということを認識しないといけない。現職というだけ賢そうに見えるのだ。年上が頑張らなくてはいけないのはおかしくないかと思う人もいるかもしれないがよく考えて欲しい。もし現職が怖い、優しくないと思われてしまえば教職を志望する人が減るかもしれないのだ。志望者が減っていけば大変になるのは誰だろうか。

 現場に戻る現職院生なのである。現職院生は院生が学校現場の現実を教えることも大切だが学校現場は楽しいということも伝えなくてはならないと思う。

教育について語れる

 こんなふうに書くと現職院生は気を遣いながら学ばなくてはならないのかと思うかもしれないがそんなことはけっしてない。院生たちとの会話は基本的にほとんどが楽しいのだ。職員室ではなかなかする余裕や時間がない大真面目に教育について語ることが出来る空間があるのだ。もちろん真面目な話ばかりでなく大笑いすることが出来る話も多々ある。

 さらに教授とのつながりも出来る。学級経営実践コースの教授は現場経験がある人ばかりなので現職派遣の人の気持ちを非常に理解してくれている。なので現場で役に立つことや現場で実践できることを学ぶことが出来る。さらに現場での悩みを話すことが出来る。

 つまり、上越教育大学教職大学院に現職派遣で来ることはプラスしかないということになる。お世辞みたいになってしまうが本当にそう思っているのでもし進学について考えている人がいるならぜひお勧めします。